2026.05.21
冷蔵庫の処分はどうすればいい?8つの正しい方法と費用・注意点を解説
引っ越しや買い替えで冷蔵庫を処分したいと思っても、何から始めればよいのか迷う方は多いのではないでしょうか。冷蔵庫は家電リサイクル法の対象品目のため、粗大ごみとして自治体に出すことはできません。
この記事では、冷蔵庫の正しい処分方法を8つ紹介し、それぞれの特徴や費用、手順を解説します。あわせて、悪質な不用品回収業者の見分け方や、処分前にしておきたい準備についてもお伝えします。
冷蔵庫は家電リサイクル対象品!粗大ごみには出せない
冷蔵庫は、家電リサイクル法で定められた対象品目のひとつです。家電リサイクル法とは、エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機の4品目について、リサイクルを促し、資源を有効活用するために定められた法律です。
この法律により、冷蔵庫は粗大ごみとして自治体で収集できません。製造業者にはリサイクル、つまり再商品化の義務があり、小売業者には廃家電を引き取り、製造業者へ引き渡す義務があります。
消費者も、収集・運搬料金とリサイクル料金を支払い、適切なルートで処分することが求められます。
家電リサイクル法が制定される前は、不要になった家電製品の多くが、そのまま埋め立て処分されていました。しかし、埋立地の不足や資源を有効に使う必要性が高まったことから、2001年に家電リサイクル法が施行されました。
冷蔵庫には、鉄やアルミニウム、プラスチック、冷媒フロンなど、再利用できる資源が多く含まれています。こうした資源を回収して再利用すれば、廃棄物を減らし、環境保護にもつながります。
とくに冷媒として使われるフロン類は、適切に回収・処理をしないと、オゾン層の破壊や地球温暖化の原因になりかねません。そのため、専門的な処理が必要です。
出典:経済産業省「家電リサイクル法(特定家庭用機器再商品化法)」(https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/kaden_recycle/index.html)
冷蔵庫の正しい処分方法

冷蔵庫の処分方法は、大きく分けて8つあります。方法ごとに、費用や手間、処分までにかかる時間が異なるため、ご自身の状況に合ったものを選ぶことが大切です。
たとえば、新しい冷蔵庫に買い替える場合は、販売店に引き取ってもらう方法がもっとも手軽です。
一方で、処分だけをしたい場合は、費用や手続きのしやすさを比べながら、合う方法を選ぶ必要があります。また、まだ使える冷蔵庫であれば、買取や譲渡によって、処分費用をかけずに手放せる場合もあります。
ここでは、8つの処分方法について、それぞれの特徴や手順、メリットとデメリットを詳しく解説します。
買い替えの際にお店に引き取ってもらう
新しい冷蔵庫を購入する際に、古い冷蔵庫を販売店や家電量販店に引き取ってもらう方法です。購入と処分を同時に済ませられるため、手間が少なく、もっとも一般的な処分方法といえます。
多くの家電量販店では、新しい冷蔵庫の配送時に、古い冷蔵庫を引き取るサービスを用意しています。
新しい冷蔵庫の設置と同時に回収してもらえるため、冷蔵庫が使えない期間を最小限に抑えられます。食品の保管場所に困りにくく、買い替えをスムーズに進めやすい点もメリットです。
また、買い替えにあわせて、処分費用の割引キャンペーンを実施している店舗もあります。処分だけを依頼する場合より、収集・運搬料金が安くなったり、無料になる場合もあるため、買い替えを考えている方には利用しやすい方法です。
手続きは、冷蔵庫の購入時に古い冷蔵庫の引き取りを申し込み、リサイクル料金と収集・運搬料金を支払う流れが一般的です。
支払いのタイミングは店舗によって異なり、購入時にまとめて支払う場合もあれば、配送や回収の当日に支払う場合もあります。あとで慌てないためにも、事前に確認しておくと安心です。
冷蔵庫を購入したお店に処分だけを依頼する
処分だけを希望する場合は、その冷蔵庫を購入した販売店に引き取りを依頼できます。家電リサイクル法により、販売店は過去に販売した冷蔵庫の引き取りを求められた際、原則として応じる義務があります。
購入した店舗がわかっている場合は、まず電話や公式サイトから連絡し、引き取りを依頼しましょう。店舗によっては、自宅まで回収に来てくれるサービスを用意していることもあります。
購入時の保証書や領収書が残っていれば、手続きがよりスムーズに進みます。手元にあれば、あらかじめ用意しておくと安心です。
ただし、処分のみを依頼する場合は、買い替え時よりも収集・運搬料金が高くなることがあります。買い替え時には割引が適用されることが多い一方で、処分のみでは通常料金になるケースが多いためです。
費用をできるだけ抑えたい場合は、事前に複数の販売店で料金を確認してから依頼するとよいでしょう。
自治体に処分方法を問い合わせる
購入した店舗がわからない、すでに閉店している、引っ越して依頼しにくいといった場合は、お住まいの自治体に相談する方法があります。
自治体は、家電リサイクル法にもとづき、住民からの相談に応じて適切な処分方法を案内しています。多くの自治体では、収集を依頼できる一般廃棄物収集運搬業の許可業者を、ホームページで案内したり、窓口や電話で紹介したりしています。
また、自治体によっては、指定の収集業者を手配してくれる場合もあります。まずは、お住まいの市区町村のホームページを確認するか、清掃事務所や環境課などの担当窓口に問い合わせてみましょう。
東京都内の各区でも、必要な許可を持つ業者の一覧が公開されていることが多く、依頼先を探しやすくなっています。
指定引取場所に持ち込む
自分で冷蔵庫を運べる場合は、指定引取場所へ直接持ち込む方法があります。この方法なら収集・運搬料金がかからないため、処分費用をもっとも抑えやすいです。
手順はそれほど複雑ではありません。おおまかな流れは、以下のとおりです。
- 冷蔵庫のメーカー名と内容積を確認する
- 郵便局で家電リサイクル券を受け取り、必要事項を記入する
- 製造業者等名コード、品目、料金区分コードなどを記入する
- 郵便局またはゆうちょ銀行の窓口・ATMでリサイクル料金を支払う
- 振替払込受付証明書を受け取る
- 振替払込受付証明書を家電リサイクル券に貼り付ける
- 冷蔵庫と家電リサイクル券を指定引取場所へ持ち込む
全国の指定引取場所は、一般財団法人家電製品協会のホームページで調べられます。
ただし、指定引取場所は土日祝日が休みの場合が多く、受付時間も平日の9時〜17時までなど、限られた時間帯に設定されていることがあります。年末年始やお盆に休業するケースもあるため、訪問前に営業日と受付時間を確認しておくと安心です。
また、冷蔵庫は大きくて重いため、運搬には軽トラックなどの車両が必要になることがあります。運び出しを手伝ってくれる人もいたほうが安心です。とくに階段での搬出は危険がともなうため、無理をせず対応できるかを見極めたうえで検討しましょう。
リサイクルショップで買い取ってもらう
まだ使える状態の冷蔵庫であれば、リサイクルショップで買い取ってもらえる可能性があります。処分費用がかからないうえ、買取金額を受け取れる点は大きなメリットです。
買い取ってもらいやすい冷蔵庫には、以下のような傾向があります。
- 製造から5〜10年以内である
- パナソニック、シャープ、日立、東芝、三菱電機など、大手メーカーの製品である
- 正常に動作する
- 目立つ傷や汚れが少なく、見た目もきれいである
とくに製造から3年以内の新しいモデルは、高値がつきやすい傾向があります。
また、出張買取サービスを利用すれば、自宅まで査定員が来て、その場で査定から引き取りまで対応してもらえます。自分で運び出す手間を省きたい方には便利な方法です。
ただし、製造から10年以上たっている冷蔵庫や、傷や汚れが目立つもの、故障しているもの、冷えが悪いものは、買取を断られる可能性が高くなります。その場合は、ほかの処分方法を検討する必要があります。
オークションサイトやフリマアプリで出品する
インターネットオークションやフリマアプリを使って、冷蔵庫を個人間で売買する方法もあります。比較的新しいモデルや人気メーカーの製品であれば、リサイクルショップより高く売れる可能性があります。
スマートフォンから手軽に出品できますが、写真撮影や商品説明の作成、購入希望者とのやり取り、梱包、配送手配まで、すべて自分で対応しなければなりません。
冷蔵庫の状態を正確に伝えるためにも、複数の角度から撮影した写真を載せ、製造年や型番、サイズ、動作状況などを詳しく記載しましょう。
ただし、冷蔵庫は大型家電のため、配送料が高くなりやすい点には注意が必要です。地域を限定して直接引き渡しにすれば、配送の手間や費用を抑えやすくなります。「自宅まで取りに来られる方限定」として出品すれば、運搬の負担を買い手に任せることもできます。
一方で、買い手がすぐに見つかるとは限りません。処分期限が決まっている場合は、余裕を持って出品することが大切です。
不用品回収業者に引き取ってもらう
不用品回収業者に依頼する方法は、冷蔵庫以外にも処分したいものがある場合に便利です。複数の不用品をまとめて引き取ってもらえるため、引っ越しや大掃除、遺品整理の場面でも活用しやすいでしょう。
不用品回収業者のメリットは、都合のよい日時に合わせて自宅まで引き取りに来てもらえることです。即日対応や夜間、休日対応に応じている業者もあり、急いで処分したい場合にも頼りになります。
平日に時間を取りにくい方や、急な引っ越しで早めに片づけたい方にとって使いやすい方法です。
また、重い冷蔵庫の運び出しも業者に任せられるため、高齢の方や女性のひとり暮らし、体力に不安がある方でも依頼しやすいです。階段での搬出や、エレベーターのない建物、狭い通路を通る必要がある場合でも、作業に慣れたスタッフが対応してくれます。
ただし、料金体系は業者ごとの差が大きいため、複数社から見積もりを取って比べることが大切です。あわせて、後述するような悪質な業者もあるため、依頼前に許可の有無や実績をしっかり確認しましょう。
掲示板サイトで引き取り手を探す
地域の掲示板サイトやSNSを活用して、冷蔵庫を無料で譲る方法もあります。処分費用をかけずに手放せる点は、大きなメリットです。
まだ使える状態であれば、新生活を始める学生や単身赴任の方など、冷蔵庫を必要としている人が見つかる可能性があります。引き取りに来てもらうことや、運び出しを手伝ってもらうことを条件として明記しておけば、自分の負担も減らしやすくなります。
ただし、個人間のやり取りでは、思わぬトラブルが起こることもあります。そのため、冷蔵庫の状態はできるだけ正確に伝えることが大切です。
写真を複数枚載せたうえで、製造年、型番、サイズ、傷や汚れの有無、動作状況などを詳しく記載しておくと、あとからの行き違いを防ぎやすくなります。
悪質な不用品回収業者に注意!理由と見分け方
不用品回収業者を利用する際は、悪質な業者に注意が必要です。適切な許可を持たない業者に依頼すると、不法投棄や高額請求などのトラブルに巻き込まれるおそれがあります。
まず確認したいのが、業者が必要な許可を持っているかどうかです。家庭から出る廃棄物を収集・運搬するには、一般廃棄物収集運搬業の許可が必要です。
ところが、この許可を持たないまま営業している業者もいます。無許可の業者に回収された冷蔵庫は、適切にリサイクルされず、不法投棄されたり、不適正に処理されたりする可能性があります。
実際に「安価な料金で回収」とうたっていたのに、回収後になって高額な積み込み料や運搬料を請求されたという相談は、国民生活センターにも数多く寄せられています。回収された家電が、山林や空き地に不法投棄されていた事例も報告されています。
悪質な回収業者の見分け方
悪質な業者を避けるため、以下のポイントを確認しましょう。
必要な許可を取得しているか
家庭廃棄物の収集・運搬には、自治体の一般廃棄物収集運搬業の許可が必要です。ホームページや広告に、許可番号が記載されているか確認しましょう。
出典:東京廃棄物事業協同組合「各区別の一般廃棄物許可業者一覧」(https://www.touhaikyo.or.jp/introduction-index)
出典:東京都公安委員会「古物商URL届出一覧」(https://www.kouaniinkai.metro.tokyo.lg.jp/kobutsu/)
公式サイトで会社情報を確認できるか
信頼できる業者は、会社名や所在地、電話番号、代表者名などを公式サイトに明記しています。
所在地が載っていない業者や、連絡先が携帯電話番号しかない業者は、避けたほうが無難です。
公式サイトでサービス内容や価格が詳細に記載されているか
料金体系やサービス内容が明確に記載されている業者を選びましょう。「無料回収」「格安」といったあいまいな表現だけで、具体的な料金が示されていない業者には注意が必要です。
基本料金や出張費、階段料金、追加料金の有無など、費用の内訳が詳しく説明されているかを確認してください。
実績や口コミを確認できるか
ホームページに実績件数や作業事例が掲載されているか、Googleのクチコミや口コミサイトでどのように評価されているかを確認しましょう。
極端に評価が低い業者や、口コミがまったく見当たらない業者は、避けたほうが安全です。
見積書や領収書の内容にあいまいな点はないか
依頼前に必ず見積もりをとり、内容を確認しましょう。
見積書には、作業内容や料金の内訳、作業日時などが明記されていることが大切です。作業後は、必ず領収書を発行してもらいましょう。
複数の業者に相見積もりをとって比較しよう
複数の業者から見積もりをとることで、料金の相場がわかり、極端に高い業者や、不自然に安い業者を見分けやすくなります。
3社ほどから見積もりをとり、料金だけでなく、サービス内容や対応の丁寧さ、許可の有無なども含めて比較しましょう。
冷蔵庫の処分にかかる費用の目安
冷蔵庫を処分する際には、リサイクル料金と収集・運搬料金の2つがかかります。費用の目安は、以下のとおりです。
| 費用の種類 | 目安金額(税込) | 補足 |
| リサイクル料金(170L以下) | 3,740〜5,200円程度 | 主要メーカーは3,740円。メーカーによって異なります。 |
| リサイクル料金(171L以上) | 4,730〜6,149円程度 | 主要メーカーは4,730円。メーカーによって異なります。 |
| 収集・運搬料金 | 2,000〜3,000円程度 | 販売店や業者によって異なります。自分で指定引取場所に持ち込む場合は不要です。 |
| 不用品回収業者に依頼する場合 | 5,000〜10,000円程度 | 冷蔵庫単体で依頼する場合の目安です。 |
なお、 リサイクル料金はメーカーと本体サイズによって決まります。2026年4月時点では、パナソニック、シャープ、日立、東芝、三菱電機などの主要メーカーの場合、170L以下は3,740円(税込)、171L以上は4,730円(税込)です。
出典:一般財団法人家電製品協会「リサイクル料金 主要メーカー一覧」(https://www.rkc.aeha.or.jp/recycle_price_compact.html)
冷蔵庫を処分する際に準備すること
冷蔵庫を処分する前には、いくつか準備しておきたいことがあります。
冷蔵庫の中を空にして掃除する
冷蔵庫の中は、あらかじめ空にしておく必要があります。食品や調味料が残っていると、リサイクル工場での処理の妨げになるだけでなく、回収を断られる可能性もあります。
買い替えの場合は、新しい冷蔵庫の庫内が冷えるまでに時間がかかります。冬場でも4〜5時間ほどかかり、夏場はさらに長くなることがあります。
そのため、あらかじめクーラーボックスや発泡スチロールの箱を用意しておくと安心です。製氷室の氷や給水タンクの水も、忘れずに捨てておきましょう。
また、売却や譲渡を考えている場合は、庫内の掃除もしっかりしておくことが大切です。見た目がきれいなほうが、買取価格が上がったり、引き取り手が見つかりやすくなったりします。
霜取り・水抜きをする
冷蔵庫を運ぶ前には、霜取りと水抜きをしておく必要があります。これらの作業をしないまま移動させると、運搬中に水が漏れるおそれがあります。
霜はすぐには溶けないため、運び出す24時間前には電源プラグを抜いておきましょう。自動製氷機能付きの機種は2〜3日前に機能を止めておく必要があります。溶けた霜の水は、水受けトレイにたまるため、忘れずに捨ててください。
扉や引き出しをテープで固定する
運び出す際は、扉や引き出しをテープで固定しておきましょう。固定せずに運ぶと、途中で扉が開き、壁や床を傷つけるおそれがあります。
養生テープやガムテープを使い、電源コードもまとめて留めておくと安全です。賃貸住宅では、壁や床の傷が退去時の修繕費用につながることもあるため、とくに注意しましょう。
まとめ
冷蔵庫は家電リサイクル法の対象品目のため、粗大ごみとしては処分できません。
処分方法には、買い替え時の引き取り、購入店舗への依頼、自治体への相談、指定引取場所への持ち込み、リサイクルショップでの売却、フリマアプリでの出品、不用品回収業者への依頼、掲示板サイトでの譲渡など、8つの選択肢があります。
それぞれに特徴があり、費用や手間、処分までにかかる時間も異なります。ご自身の状況や冷蔵庫の状態に合わせて、無理のない方法を選びましょう。不用品回収業者を利用する場合は、一般廃棄物収集運搬業の許可を持つ信頼できる業者を選び、複数の業者から見積もりを取って比較することが大切です。
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